銀行の選び方
自社の売上規模によって、付き合いやすい銀行を選びましょう.
銀行の選択
- 売り上げに応じた銀行選び
- 付き合ってはいけない銀行
- 銀行の財務状況を見分ける3つのポイント
⇒ 年商1億円までの企業が取引する銀行
⇒ 年商5億円規模で取引する銀行
⇒ 年商10億円以上になったら取引する銀行
売り上げに応じた銀行選び
零細企業がメガバンクをメインバンクにすると、決め細やかな対応がなされず事業計画を進める上でスムーズに事が運ばないなど、企業と銀行のバランスが悪いと企業活動にも支障を来すことがあります。
会社の創業期、成長期、成熟期の3段階に応じて、それぞれの段階の業歴や売上高などその企業の規模に合った銀行を選ぶことが大切です。
売上規模に応じて、取引銀行の数や種類、融資取引の割合を考えて上手に付き合っていかなければ、いざというときに銀行からの支援が得られないという状況にもなりかねませんので、ここはしっかり押さえておきましょう。
年商1億円までの企業が取引する銀行
創業期から売上規模が1億円ぐらいまでの場合は、地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫などの中から2~3行程度がいいでしょう。
多くの場合、2回目以降の融資の申込みを初めて融資取引した金融機関に申込みをしますが、融資取引のバランスからいうとできれば2回目以降の融資は新規銀行との取引を考えるべきです。
複数の取引銀行の融資額を同程度とすることで、それ以降の融資申込みの際に銀行間での競争が起こりやすくなりますので、金利や融資取扱期間などで有利な融資条件で融資が受けられるようになります。
なお、年商1億円ぐらいまでは借入額が小さいので、メインバンクは地方銀行でも信用金庫でも、銀行の規模の大小による不具合が生じることはあまりありません。
年商5億円規模で取引する銀行
年商が5億円を超えてくると、単純計算で平均月商が4000万円を超えることになります。ここまでの規模になると、運転資金として月商の1~1.5ヶ月分の融資申込みをする場合、4000~6000万円になってきます。 よって、取引銀行も、メガバンク、地方銀行2行、信用金庫、日本政策金融公庫の5行程度が理想的な組み合わせになります。
また、融資取引バランスも考えていく必要が出てきます。
並行メインに地方銀行2行、サブメインに信用金庫、サブにメガバンクと日本政策金融公庫というバランスがよいでしょう。
これだけの年商規模で、増収増益で黒字成長している企業に対しては、メガバンクが取引を獲得しようと地方銀行や信用金庫が提案できないほどの低い金利で営業を仕掛けてくることがあります。しかし、安易に金利だけで決めてはいけません。
金利の低さに惹かれてメガバンクに融資取引を集中させて融資割合を高くしすぎてしまうと、万が一の場合には、非常にドライな対応をされてしまう可能性もあります。その時になって、地元金融機関である地方銀行や信用金庫に頼ろうとしても、融資取引が疎遠となってしまっている地方銀行、信用金庫から支援を受けにくくなったりしますので、注意が必要です。
年商規模が10億円以上で取引する銀行
年商が10億円を超えてくると、単純計算で平均月商が8000万円を超えることになります。運転資金として月商の1~1.5ヶ月分の融資申込みをする場合、8000万~1億2000万円を超える金額になってきます。
この規模であれば、取引銀行はメガバンク2行、地方銀行2行、商工中金、日本政策金融公庫の計6行程度がいいでしょう。
並行メインにメガバンクと地方銀行、サブにメガバンク、地方銀行、商工中金、日本政策金融公庫という構成イメージです。
この規模になってくると、いかにプロパー無担保融資を引き出せるかが課題になります。
信用保証協会の無担保融資枠は、特別枠を含めても1億6000万円です。年商10億円を超えると既存融資の残高も月商の3ヶ月相当の2億4000万円はあることでしょう。すると、信用保証協会の無担保融資枠だけでは賄えません。
年商規模が大きくなるほど、銀行のプロパー無担保融資の必要性が増し、商工中金や日本政策金融公庫との取引も大きくなっていきます。
体力のない銀行と付き合うとリスクが高い
体力のない銀行とは、財務状況がよくない銀行のことです。
2007年のサブプライムローン問題を発端として2008年秋のリーマンショックと、世界金融不安の影響で銀行は多額の不良債権を抱えることになりました。
さらに大震災の影響による不況により、企業の業績が悪化し、銀行にとっての融資先企業の債務者格付けが下がったり、会社の倒産が急増して銀行の不良債権が増えたりしていますので、不良債権の処理や貸倒引当金の積み増しに備えて、銀行は、融資には消極的になっています。
特に、信用保証協会の保証や不動産の担保などを付けずに融資を受けるのは非常に厳しい状況です。
財務状況のよくない銀行ほど、それらは顕著に現れてきます。
貸し剥がしを行ってくる可能性も高くなります。
つまり、財務状況のよくない銀行と付き合っていると、自社まで悪影響を受ける可能性があるので十分注意して下さい。
銀行の財務状況を見分ける3つのポイント
銀行の財務状況を見分けるポイントは3つあります。
まず、「預貸率」、次に「自己資本比率」、そして「不良債権比率」です。
これらの指標は各金融機関のホームページやディスクロージャー誌などで見ることができます。
・ 預貸率
預金残高に対する貸出残高の比率です。
預かっている預金をどれだけ融資として還元しているのかを表す比率であり、 地方銀行は75~80%程度が適正水準といわれていましたが、現在は60%台にまで下がっているケースが多くなっています。
・ 自己資本比率
総資本に対する自己資本の比率を表したものです。
自己資本比率が高いほど、安定した経営を行っているとみることができます。 自己資本比率が10%以上の銀行を目安に付き合っていきましょう。
・ 不良債権比率
貸出金に対する不良債権の比率を表したものです。
不良債権が増えてくると、自己資本比率にも影響を与え銀行経営も不安定になります。 不良債権比率は5%以内が目安です。
これらの指標を確認し、銀行に選ばれるのではなく銀行を選ぶというスタンスは持っていましょう。
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